空き家を相続したら

日本では「老老相続」が一般的になっています

現在、高齢になった親から、中高年に差し掛かった子どもへの相続が増えており、1989年時点では、相続時に親の年齢が80歳以上だった割合は約4割しかなかったのに対し、2013年には実に7割近くに上っています。90歳以上の割合においても2割強あり、日本では80代の親から50~60代の子どもへという「老老相続」が、いまや基本的な構図になっています。一方で住宅所有の割合を見ると、50代で6割前後にも達しており、親から実家の相続を受けるときには、すでに持ち家があるという人が大半です。
まず、相続の開始日は基本的に親が亡くなった日に設定されます。相続には「単純承認」「相続放棄」「限定承認」の三つのパターンがあり、相続放棄と、限定承認については相続開始日から3ヵ月以内に、家庭裁判所に申請(申述)しなければなりません。何も申請しなければ、単純承認したと見なされ、借金を含めた全ての財産を相続することになります。この3ヵ月間は、遺族が手続き方法を判断するための「熟慮期間」と呼ばれておりますが、実際にはじっくりと考えるような時間はほとんどないと思っておいた方がいいです。

通夜、葬儀に始まり、死亡届の提出や年金受給の停止、保険金の請求、各種契約の解約や名義変更、四十九日の法要、実家の概要や財産の把握など、やるべきことが山のようにあるからです。

このようなことから相続対策は短期決戦だといえます。

そして相続資産の中でも実家・空家を相続した場合どうするかが難題になってきます。まず、遺産分割協議を行い、取り得る選択肢は全部で五つあります。詳しい内容については空き家や空き地の活用方法を参照して下さい。

単純承認とは

・被相続人(亡くなった人)の資産、借金など、プラスの財産もマイナスの財産も全て相続する。

・何も手続きしなければ、自動的に単純承認したものとみなされる。

相続放棄とは

・借金が資産を上回る場合などに、弁済を回避するためプラスの財産を含めて全ての相続を放棄する。

・相続人各自が単独で家庭裁判所に申請(申述)する。

限定承認

・借金の総額が不明といった場合に、借金が資産を超過しない範囲に限定して相続する。

・相続人全員が共同で家庭裁判所に申請(申述)する。